矯正中にボトックスを考える前のチェックリスト
歯列矯正中にボトックス治療を併用することは、治療の質の向上や審美性の改善に繋がる有効な選択肢ですが、思いつきで安易に受けるべきではありません。後悔のない結果を得るために、施術を検討する前に確認すべきチェックリストをご紹介します。まず最初のステップは、ご自身の悩みを明確にすることです。なぜボトックスを考え始めましたか?それは、矯正中の耐え難い食いしばりや歯ぎしりでしょうか。それとも、発達してしまったエラの筋肉、笑った時の歯茎の見えすぎ、あるいは口を閉じた時にできる顎の梅干しジワでしょうか。悩みが具体的であるほど、後の相談がスムーズに進みます。次に、最も重要なステップが、現在治療を受けている矯正歯科の担当医に必ず相談することです。ボトックス治療を検討している旨を伝え、ご自身の歯並びや治療計画に影響がないか、専門家としての意見を求めましょう。医師によっては、提携している信頼できるクリニックを紹介してくれる場合もあります。自己判断で進めることは絶対に避けてください。三つ目のステップは、クリニック選びです。施術は、解剖学を熟知し、経験豊富な医師のもとで受けることが大前提です。使用しているボトックス製剤の種類(厚生労働省承認のアラガン社製ボトックスビスタなど)や、過去の症例数も判断材料になります。そして最後に、カウンセリングで納得いくまで説明を受けることです。期待できる効果だけでなく、起こりうるリスクや副作用(表情の違和感、効果の左右差など)、効果の持続期間、費用について、全てクリアにしてから施術に臨みましょう。これらのステップを一つひとつ丁寧に行うことが、安全で満足度の高い治療への最短ルートとなるのです。