キラキラした大学生活を夢見ていたけど、私の日常は歯列矯正と共にあった。自腹で始めたワイヤー矯正。装置をつけた初日、締め付けられるような痛みに「これを数年も?」と心が折れそうになった。大学の授業中も、ズキズキとした痛みが気になって集中できない。痛み止めを常に持ち歩くのがお守り代わりになった。一番の変化は食事だ。友達とランチに行っても、パスタはワイヤーに絡まるし、お肉はうまく噛み切れない。結局、豆腐ハンバーグとか、うどんとか、柔らかいメニューばかり選ぶことになる。カレーを食べたら、透明だったゴムが一瞬で鮮やかな黄色に染まってしまい、一ヶ月間カレースマイルで過ごしたのも今では笑い話だ。見た目もやっぱり気になる。笑うとキラリと光る金属の装置。最初は口元を隠してばかりいたけど、ある時友人に「頑張ってる証拠じゃん」と言われて、なんだか吹っ切れた。それからは、あえてカラーゴムを選んでファッションの一部として楽しむように。毎月の調整日は、痛いけど歯が動いている証拠。家に帰って鏡を見ながら「お、ちょっと隙間が閉じてきた」と確認するのが密かな楽しみになった。痛みも食事制限も、決して楽じゃない。でも、この地道な日々の先に理想の笑顔が待っていると思えば、不思議と乗り越えられる。これもまた、私だけの特別な大学生活の思い出なのだ。大学生活の四年間、私は歯列矯正と共に歩んできた。それは、全て自腹で支払うと決めた、自分自身との長い戦いでもあった。周囲がサークルや旅行を満喫する中、私はアルバイトに多くの時間を費やした。毎月の調整費を支払い、治療費のローンを返済する。そのために諦めたことも少なくない。しかし、私は一度も後悔したことはない。なぜなら、私が手に入れたものは、単に整った歯並びだけではなかったからだ。かつての私は、口元に自信がなく、人と話す時もどこかおどおどしていた。しかし、治療が進み、コンプレックスが解消されていくにつれて、自然と背筋が伸び、相手の目を見て話せるようになった。自分でお金を工面し、痛みに耐え、長い治療期間を乗り越えたという経験は、私の中に「やればできる」という確固たる自信を育ててくれた。
矯正大学生のリアルな日常!痛みや食事とどう向き合うか